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徳川美術館と珊瑚

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名古屋に行くからには、と気になっていた徳川美術館へ。
ちょうど面白そうな企画展「殿さまが好んだヨーロッパー異国へのまなざしー」を開催中でした。
徳川家にもたらされた”舶来品”とそれにちなんだ文献の類がずらりと展示されています。

工芸関係で面白かったのは、金唐革や間道のオリジナル、それから珊瑚。
真っ赤な珊瑚は地中海域からはるばるやってきたもの。
大きさごとに(といっても、すべて細片!)分けられた珊瑚がぎっしりつまった小箱が展示されています。

多くの方が驚かれますが、日本で珊瑚の採集が始まるのは明治以降。それまでは貴重な舶来品です。

江戸時代の装身具では珊瑚の細い枝先が、大事そうにかんざしの垂れに使われたり、小さな小さな玉がやっぱり大事そうに埋め込まれていたりします。
以前ジュエリー文化史研究会で当時の珊瑚の貴重さを教えて頂いたのですが、今回そのことがよく理解できました。

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敷地内の宝善亭で大満足の昼食のあと、ふと見上げると青い鯱が。
企画展は11月3日まで。お勧めの展示会です。

月の丘

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久しぶりの上野公園。
ここは空が広いので、雲ばかり撮ってしまいます。

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1時間ほどのあいだに刻々と変わる空が楽しくて。

この日の目的は表慶館の「工藝2020」展でした。
色を切り口に展示された、さまざまな工藝のバリエーションが楽しめる展示会です。

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撮影できる作品のなかで一番気に入ったのはこちら。
金箔と截金で、ふんわりたっぷりした金色。
小さくなって、この金色のやわらかい起伏に寝そべって、周りを見渡してみたい。

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画面の一部はウルトラバイオレットとのコントラストが美しく。
写真のぶれが綺麗なのでそのまま採用。

ところでこの作品、作者のお名前は月岡さん。
金のソフトな光にあまりにしっくりくるお名前でびっくり。
フルーツパーラーの桃子さんとか、テキスタイルミュージアムの繭子さんとか、時々拍手したくなるほどしっくりくるお名前に出会います。

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萩も満開。冬支度のいろいろが楽しい季節です。

インドのミニアチュール

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岡崎市美術館博物館にて「小宇宙の精華 インド宮廷絵画」展を見てきました。
日本画家でインド美術コレクターの、畠中光享氏のコレクションの展示会です。
以前、松濤美術館で畠中光享氏のインド染織品の展覧会(その時の記録)を見ているのですが、会場に細密画も少し展示されていて、「もっと見たいな」と思ったのを記憶しています。

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気の利いたミュージアムレストランから展示室へ向かう、大理石の階段。
名古屋から小一時間、山の上に突然現れる立派な美術館でした。

今回わざわざ出かけようと思ったきっかけは、この春に読んだオルハン・パムクの『わたしの名は「紅」』です。
細密画師にたくさん語らせるこの本を読んで、まとまった量の細密画を見たい気分だったころ、この展覧会について知ったのです。
知りたい見たいが満たされて、大満足。

送ってもらった重い図録が届くころ、また続きを書こうかな。

東京は急な冷え込みで、慌てて冬支度を始めています。
よい週末をお過ごしください。

和巧絶佳 展

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パナソニック汐留美術館へ。
1970年以降生まれの工芸作家の作品を、「和」「巧」「絶佳」の3つの章で紹介した展覧会です。

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涼しい五角。

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麗しい六角。

橋本千毅さんの漆芸作品は、小さくて美しくて圧倒的です。
そもそも漆芸は膨大な手間と時間が必要な仕事ですが、並んでいたものの中には、単位体積あたりの労働力と集中力の集積量で、世界一ではと思えるものがありました。(上回る工芸作品があれば、とても知りたい!)
個人蔵の作品がほとんどなので、これだけの数を一度に見られる機会はもうないかも。

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展示作品は(ルオー部屋を除き)すべて撮影できます。
自分のお気に入りの角度を見つけるのも、楽しみのひとつです。

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 ATENARI<アテナリ> ポップアップショップ
2020年9月2日(水)~8日(火)
日本橋三越本店 本館1階 アクセサリー イベントスペース

松濤で真珠展

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松濤美術館へ出かけてきました。
美術館へ行くのが久しぶり過ぎて、単眼鏡を忘れそうに。危ないあぶない!

展示品の大半は、ミキモト真珠島博物館と穐葉アンティークジュエリー美術館からのものでした。

カステラーニ工房と工房出身のカルロ・ジュリアーノの作品は、古代から中世の宝飾品をお手本にした端正な佇まい。
でももちろん単なる復古趣味ではなく、途絶えた技法の復刻を含めた高い技術力でモダニティ(19世紀製)が実現しています。

展示品には、ハーフパールが使われたものがたくさんありました。

質とサイズが吟味されて、きちんと爪で留められたハーフパールは、端正で美しいです。
ミキモト装身具の「シロツメグサ」は素敵でした。製作は1993年と新しいですが、図案は1910年製とのこと。この時代のトレンドを思わせる、軽やかさと優雅さが魅力的。
例えば華奢な身体につけるブローチには、ハーフパールは一つの正解のように思えます。

最後の展示室は、真珠養殖の技術について解説されています。

以前から、日本で養殖するあこや真珠の核にわざわざミシシッピ川から運んできた貝を使う理由がずっと謎だったのですが、展示会場で貝の現物を見てようやく納得。
小さいのに厚みがすごい。組織も均一に見えます。

帰宅後にインターネットで真珠核産業のことを少し調べてみたら、こちらもまた奥深い世界。面白かったです。
特にあこや真珠は真珠層が薄く核が透けて見えるため、核の品質には大変気を使うそう。

この展示会は、真珠を身につけていると入館料が200円オフになります。
知らずに伺ったのですが、もちろん着けていたのでめでたく割引に。

「真珠ー海からの贈りもの」展は渋谷の松濤美術館で9月22日まで開催中です。