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金の糸

ジョージア映画「金の糸」を見てきました。


タイトルは、主人公が自分の人生について思いを巡らせながら部屋に飾る、日本の”金継ぎ”で蘇った3千年前の陶器の写真から。「KINTSUGI」は世界で通じる言葉になりつつあります。

映画は旧ソ連邦時代の記憶を抱いて老いる世代を描いており、「プリンシプル(行動の原則)のない人生には意味がない」という台詞が重く響きました。
大陸で隣国に囲まれた人々が必要とするプリンシプルは、島国の人間の想像の及ばないところにあるのかもしれません。

大人の教養学部、岩波ホールはこの夏閉館。


知らない世界への扉をひとつずつ開けて覗かせてもらうような、良い映画をたくさん見せてもらいました。

情報の多い時代だからこそ、磨き上げられたセンスの持ち主によるお勧めのなかから選べるのが本当に有り難かった。


閉館までにあと2作品の上映が予定されていますが、おそらくホールに足を運ぶのは今回で最後。
素敵な体験をありがとうございました。

ポンペイ展へ

4月3日まで開催中のポンペイ展へ。

前回のポンペイ展もそうでしたが、遺跡からの発掘品を見るほどに人類が豊かになっているのかどうかよく分からなくなってきます。

紀元前に作られた金細工品は、自分がジュエリーの仕事を選んだきっかけになったもの。

今回展示されていた金細工品の中では、人体が陰刻された金のリングがすごかった!

8ミリほどのサイズの人体が彫られているのですが、そのデッサン力に驚愕。

単眼鏡でしつこく眺めてしまいました。


モザイクも大好物です。

これは2018年にギリシャのペラ遺跡で見た紀元前のモザイク。もともとは邸宅の床だったものの今は雨ざらしでちょっと心配になりましたが、素朴と洗練が同居した素敵な光景。

ここから、今回のポンペイ展で見た少々享楽的で高精細・高彩度なモザイク、宗教とシンクロしたビザンチン様式の豪華絢爛なモザイクへ、時代の流れに思いを馳せます。

人体彫刻はどれも素晴らしかったし、3匹の蛇が絡み合った青銅の燭台も素敵だったな。

すべての展示品が撮影可能でしたが、うまく撮れる気がせず結局何も撮らずじまい。

こちらは上野公園で唯一咲いていた桜。春、これからですね。

どうぞ良い週末をお過ごしください。

THE HEROES

ボストン美術館所蔵の豊富な日本の美術品のうち「武者画」「刀の鐔」「刀剣」のみで構成された『THE HEROES展』を見てきました。

有名な物語や歴史の名場面が描かれた武者画と、名場面を意匠に取り入れた刀の鐔、そして刀剣。面白かったです。

会場は撮影可能です。
武者画は人物、動物、妖怪の類などキャストが多いので、自分なりの切り取り方で延々と楽しめます。

トップの写真はは川中島合戦の図、武田信玄のコスチュームの盛りっぷりが爽快。

その兜もすごいですね。あなたのワードローブ全部、見てみたいです。

「箙に梅図」 透かし模様に躍動感のある物語がむぎゅっと詰まった鍔。

「伏木隠れ図」 鍔に頼朝さんが埋まっています。空間に配された一羽の鳥の挙動が、敵にこちらの存在を伝えてしまうのではという緊張感がたまりません。


刀剣はよく解らないのですが、古墳時代の一口(ひとふり、と読むそう)が迫力ありました。欠けたところを錆止めなのか漆で補修してあったように見えたのですがどうでしょうか。

こちらは加納夏雄による牡丹づくしの、刀の拵え金具の一部。
素敵。ここだけ欲しい。


展示会は東京のあと、新潟、静岡、兵庫に巡回するそうです。

「ボストン美術館展」なら見に行かなかったかもしれません。テーマを絞った新しい切り口で見ると、新鮮な目で楽しめますね。

お勧めです。

2022年あけましておめでとうございます

2022年を良い一年にいたしましょう!

今年の元日に読んだ面白い本。名画に描かれた服飾が解説されています。
取り上げられているのはフランスのブルボン朝と近代の絵画がメインでした。

読む前に、以前からの謎(中世イタリア女性が頭に巻いている紐)が解決されるのではと淡く期待していたのですが、それは持ち越しに。

読みながら考えたのですが、浮世絵に描かれた服飾を解説した本があったら面白そう。

衣食住、の筆頭が「衣」なのはそれなりの理由があると思うのです。

元日から焼いてみたピロシキ。フィリングは冬の美味しいほうれん草と、ゆで卵と、塩抜きして使うトルコのチーズ。semplice.


あとは、カプリ国際映画祭の様子を覗いたり、ニューイヤーコンサートを見たり。

今年も楽しく充実した時間を欲張りながら、アテナリのジュエリーで多くの方と繋がっていきたいと思います。

今年もありがとうございました

今年も少し早めに2022年の健康と幸せを祈願してきました。


ここは「気」の合う場所で、一年のうちに何度か訪れます。

気持ちの良い場所、人、もの、に来年も恵まれますように。

いつ訪れても必ず何輪か、微笑むように咲いている敷地内の不思議な桜。

心からの笑顔で彩られる、穏やかな年越しでありますように。