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ふたつのPei展

香港の現代美術館M+でI.M.Peiの展示会とGuo Peiの展示会を見てきました。

まずは中国出身の米国人イオ・ミン・ペイ(I.M.Pei)展。写真は氏のトレードマークの丸眼鏡。

I.M.Peiはルーブル美術館のガラスのピラミッドで知られる建築家です。

当時のパリ市長だったジャック・シラクの要請で原寸大のモックアップを現場に作り、6万人のパリ市民がそれを見て納得する過程を経て、ようやくプロジェクトにゴーサインが出たというエピソードなど、面白かったです。

常々、建築家ほど人間の総合力が必要な職業はないと思っていますが、この笑顔を見たくて周りの人も動いてくれたこと、容易に想像できます。

日本では滋賀のMIHO MUSEUMがこの方の設計。他で見られない展示会を見るために数年ごとに訪れていますが、屋内外ともに気持ちのよい場所です。


もうひとつは北京ベースのファッションデザイナーGuo Pei展。

こんな感じに、爪先から頭の上まで作り込まれた衣装がたくさん並んでいました。

アジアの面白い素材を使ったものもいくつかありました。


フィリピンのピニャ(パイナップル繊維の織物)を使った構築的なドレス。ピニャは芭蕉布と同じく、長くまっすぐな繊維を撚り合わせて糸にして織ります。

以前から、18世紀から19世紀にヨーロッパに輸出されたピニャの素晴らしいのをまとめて見てみたいと思っています。マニラなら近くてよいのですが、良いものはやはりスペインへ行かないと見られないのかも知れません。

これは螺鈿素材のファブリック。京都のメーカーのものだそう。

見慣れた貝の薄片ですが、薄衣に透けた構造色の変化が楽しいドレスでした。ちょっとマーメイド的な雰囲気もあり。

50000時間を要したという刺繍が神々しいドレス。何もかもスケールが大きい。

一方こちらは原寸大の人間なので、ついつい収納場所を心配してしまいます。

M+は西九龍文化地区にあり、このエリアはまだまだたくさんの施設が建設中。

しばらくは香港を訪れるたびに楽しめそうです。

<アテナリ POP UP SHOP>
会期:2024年10月16日(水)~22日(火)
会場:日本橋三越本館 1F アクセサリーイベントスペース