4月23日はworld book day。これはちょうど昨日入手し(てもらっ)た本。
日本で1998年に開催された「ケルト美術展 古代ヨーロッパの至宝」のカタログです。
冒頭にあった、ヴァンセスラス・クルタ氏の解説より、メモ。
ー 前5世紀の誕生以来一貫して見られるケルト美術の特徴は、次のように要約することができる。自然の形態を無視して線とヴォリュームの戯れを追求する傾向。移行しつつある、変化しつつある、曖昧な状態にある存在への好み。意図的に多様なあるいは矛盾する読みを誘う傾向、である。〈略〉 ギリシャ・ローマ美術が、可視世界の理想的なあるいは叙述的なイマージュを作り出すことに努めたのに対し、ケルト美術の目的は、宇宙のサイクルの根本にあると信じられた、自然の様々な要素の不断の動きと変化を暗示することにあった。 ー
クルタ氏は 1991年にヴェネツィアのPalazzo Grassiで開催された「I Celti」(The Celts)展のディレクター。30年以上経った現在ではそれらを(あるいは、何をどこまで)ケルト美術と呼ぶのが適当かどうかはさておき、書かれているような非ギリシャ・ローマ様式が在ったことは確か。
そして氏の解説にはその様式に自分が何故興味をもち好むのか、そのヒントが書かれていてすっきり。
ありがとうございます!