パナソニック汐留美術館で「中川衛 美しき金工とデザイン」展を見てきました。
金沢の美術工芸大学で工業デザインを学んだ後、大阪の松下電工(現パナソニック)で家電製品のデザイナーを務め、金沢に戻ってから出会った象嵌技法に魅了され金属工芸の道へ。高橋介州(海野清のお弟子さん)に弟子入りし、彫金の人間国宝となり現在に至る、というのが中川氏のプロファイル。
これだけで十分面白そうで興味をもち、出かけてきました。
工芸作品だけが居並ぶ展示会と違い、学生時代の課題作品(なつかしーい感じ)、パナソニック入社後の研修日誌、デザインを手掛けた70年代の美容家電など、面白い記録がいろいろありました。
工芸家となった後の象嵌技法の彫金作品はどれも、技とデザインが互いを高めあったようなモダンさが清々しかったです。
デザインのソースは異国の風景だったり、日常の断片だったりと多彩。
一部の展示品は撮影可能でした。
これは師匠作品へのオマージュかな。
ちなみに展示されていた師匠・高橋介州の作品もどれも素晴らしかったです。
ジュエリーは一般に盛って加えて(価値を上げて)いくものなので、苦労して嵌め込んだ部分もすべてプラスマイナスゼロになるまで研いで磨いて仕上げる象嵌技法作品はどれも大変にストイックに見えて新鮮です。