映画『優雅なインドの国々 バロックmeetsストリートダンス』を観てきました。
パリオペラ座が2019年、新演出で製作した『Les Indes galantes(優雅なインドの国々)』のメイキングドキュメンタリーです。
ここでの”インド”はオペラ初演の1735年当時、西欧ローカル視点で「発見」された異国の地を指します。
2019年の版は、都市の中の異国をテーマに時事問題を取り入れつつ、バックグラウンドのさまざまなストリートダンサーが参加する演出でした。
オンラインで作品を観ていたので、異色のオペラ作品の製作過程を覗けるのは面白そう!と反射的に予約したのですが、これが本当に面白かった。
指揮者レオナールさんの情熱(fou!)がコーラスに命を吹き込む様子を見ていたダンサーたちが感動して目を輝かせる場面、公演初日の様子などは今思い出しても涙が出そうです。
映画の中でレオナールさんがクラヴサンを弾きながら説明していたとおり、1735年当時は新大陸の踊りと音楽の影響を受けた作品が流行っていたそう。
2019年に同じパリで生み出された作品は、その製作過程でキャストもスタッフも観客も関わる人全てが双方向に影響しあっているように感じました。
今回の映画鑑賞はル・ストゥディオにて。
他で見る機会のない作品との出会いは本当に有り難いです。
そして、主役のサビーヌ・ドゥビエルさんの歌声はこの世で触れられる最高のもののひとつでした。