色と光沢が、万華鏡のよう。
パナソニック汐留美術館のハンガリー国立工芸美術館名品展では、「ジャポニスム」を軸にセレクトされた、アール・ヌーヴォー、アール・デコ期の陶磁器、ガラス器が見られます。
展示品には、日本の蒔絵や七宝を再現しようと頑張った(失礼!)ものや、それまで西洋になかった要素を取り入れたものが多くあります。それはたとえばありふれた昆虫や動物、様式化されない草花の自然な姿を愛でること、工程の一部を偶然にまかせることによって生まれる美しさなど。
あふれる色柄から、遠く東の異世界に触れたことによる軽い興奮まで伝わってきて楽しくなります。
表現も技法も多様な160点余りの展示品のなかで一番気に入ったのは、ジョルナイ陶磁器製造所の小花模様。手のひらサイズの「花煙帯文花器」は、可愛くて濃密。バリエーションがあれば、全部見てみたいです。
ハンガリー国立工芸美術館は現在改装中で、この展示会は全国を巡回してきて東京がラストなのだそう。
会期は12月19日までです。