
2年前に 「五月九月(ぐんぐぁちくんぐぁち)」でそのパロディを見てから気になっていた琉球組踊(楽劇)の『二童敵討』を見に行きました。
日本の様式を参考に、中国の楽器、東南アジアの旋律を組み合わせたという琉球オリジナルの組踊は独特の魅力があります。
例えば音楽の柔らかさは三線や胡弓、弦をゆるく張った箏によるもの。
台詞の音のとり方は繊細で、五線譜では表現できないニュアンスを堪能できます。
『二童敵討』は、政争で父と兄弟を失った男児ふたりの敵討ちの物語。
この日母親役を演じた新垣悟さんが素晴らしかったです。
仇討ちへ向かう子供ふたりを見送る母親の心のゆれが、見事な台詞まわしとゆったりとした視線の動き、わずかな所作で語られ、忘れられないものになりました。
時間の流れかたが変わる、幸せなひととき。
機会があればまた観に行きたいです。