『ココ・シャネル 時代と闘った女』を観ました。
同時代の写真、映像をつなぎ合わせながら語られる、謎の多いひとりの女の一生。力作でした。
冒頭でまず、有名な孤児院のエピソードが全否定されてびっくり。
シャネルブランドの商品イメージと修道院とをリンクさせた神話を打ち砕いて始まる55分の映像作品です。
「目立つためなら何でもした」というパリ時代のスタート、対独協力者としてパリに居られなかった戦後の10年間、香水事業で盤石な資金源を得てからはモードとの乖離。
容赦なく淡々と語られるエピソードは興味深く、観終わってようやく、何かの象徴でなく血の通った人間像が出来た感じです。
自立を目指して戦ってきたシャネルが旗を降ろす相手、オーナーのヴェルテメール家との確執は、機会があればもう少し知りたい。
なお、シャネル女史は早口なので(笑)字幕が到底足りず、フランス語を聞いて理解できる人は3割増しで楽しめそうでした。