名古屋に行くからには、と気になっていた徳川美術館へ。
ちょうど面白そうな企画展「殿さまが好んだヨーロッパー異国へのまなざしー」を開催中でした。
徳川家にもたらされた”舶来品”とそれにちなんだ文献の類がずらりと展示されています。
工芸関係で面白かったのは、金唐革や間道のオリジナル、それから珊瑚。
真っ赤な珊瑚は地中海域からはるばるやってきたもの。
大きさごとに(といっても、すべて細片!)分けられた珊瑚がぎっしりつまった小箱が展示されています。
多くの方が驚かれますが、日本で珊瑚の採集が始まるのは明治以降。それまでは貴重な舶来品です。
江戸時代の装身具では珊瑚の細い枝先が、大事そうにかんざしの垂れに使われたり、小さな小さな玉がやっぱり大事そうに埋め込まれていたりします。
以前ジュエリー文化史研究会で当時の珊瑚の貴重さを教えて頂いたのですが、今回そのことがよく理解できました。