公開中の映画と、映画公開に合わせて展示されている文化服装学院の「イヴ・サンローラン展」をダブルで楽しみました。
映画は一昨年にいくつか続いた”シャネルもの”と違い、生涯のパートナーであったピエール・ベルジェの語りが中心に進む、静かなドキュメンタリーです。
おそらくピエール・ベルジェに対しては、サンローランの没後のふるまいに関していろいろな人がいろいろな事を言ったことでしょう。
でも他人同士として生まれたふたりが出会ってからの生涯をずっと、真剣に向き合って過ごすことは、簡単なことではないし、実はあまり成されていることでもないし、それだけで敬意を持ちます。
ことに、彗星のようにデビューし、彗星でいつづけるために極限まで神経をすり減らしたパートナーならなおさら。
「イヴ・サンローラン展」はサンローランのコスチュームをまとうボディが数点と小さな規模でした。
一番興味深かったのは、サンローランに関する新聞記事の切り抜きを展示してあるところ。
今みたいに情報が簡単に手に入る時代ではなく、フランスの新聞の余白に一生懸命(に見える)日本語訳をメモしてあるのに、真摯さを感じ、ちょっと感動しました。