神戸ファッション美術館にて。
ファッションに特化した美術館ならではの、狭く深い展示テーマ。
”超絶”のタイトルは全く大げさではありません。
神がかったような時間が凝縮された刺繍。
状態のよいものばかりで、本当に贅沢な気分になります。
日本の京繍(きょうぬい)は、細い針と細い糸で、引き算のデザインに繊細な技。
刺繍の入った着物というとてんこもりの、ぞっとするようなものも時々見かけますが、こういう清々しい刺繍なら大好きです。
フランス・ロココ時代からはやわらかい中間色が洪水のような草花模様。ボタンにいたるまで細かな刺繍。素敵。
そしてインドの婚礼衣装は祈りが形になったような細かなペイズリー紋様。
一見エトロっぽい精緻なプリントに見えるのですが、ミリ以下の単位できっちりとステッチされています。
しかも薄い薄い生地に、生地の軽さを全く損なわない繊細な刺繍。
展示室に入る前に、日本・インド・フランスそれぞれの刺繍のスタイルを紹介した導入展示があり、
展示品を見る前に、見る側にも準備が出来るのが良かったです。
これで入館料500円とは。
心配になってしまうような、お得感でした。