しかしだんだんと展示会のタイトルが巧みになってきますね。
シアトル美術館所蔵の東洋美術品の展示会@サントリー美術館 です。
納品予定が混んできているので気分転換にお出かけ。
快適な空調を求めてミッドタウンへ。インドア派です。
展示品が広く東洋をカバーしているかと思っていたら、わりと日本偏重。
でも保存状態がとても良い、選ばれたものが並んでいるという印象は残りました。
一番気に入ったのが中国・元時代の「墨梅図」。
横長の矩形に梅の枝がつくる何ともいえない余白、小さく配置された漢詩、落款の大きさや位置まで唸るバランス。
これは、科挙の試験をトップで通った友人に贈ったものだとか。
この作品のポストカードがあれば欲しいなあ、と思っていたのですが、やはりナシ。気に入ったのはだいたいナイです。
なぜポストカードかというと、展示会の図録が際限なく増えるので、ある時期から、特に気に入った作品がポストカードになっていれば求める、というスタイルに切り替えたからなんですけど。
また、本阿弥光悦と俵屋宗達のコラボ絵巻「鹿下絵和歌巻」も楽しかった。
長~い絵巻の、後半半分のみシアトル美術館に所蔵されているというので、「半分ちぎって持っていかれた!」と考えたのは早とちり。
前半半分はさらに掛け軸サイズに切り刻まれ日本各地へ。
でもこの作品の、絶妙のゆるーい「間」みたいなものは、長い状態で見ないと味わえないです。
群れて、あるいは一匹でとぼけて散在する鹿、書き散らされた和歌、のほーんとしたこの感じ、これが実は日本文化の本質のような気までしてきます。
しかし現地の室内温度を守る契約なのでしょうけど、室温22℃は寒い!
トングの素足が冷えて、度々つりそうになりました。