ロウカン。翡翠の中でも貴重な、混じりけのない、とろっとしたオペイクの、鮮やかなグリーンのもの。
こんな翡翠のバングルがあれば目眩がするような美しさでしょうけど、実際には、小さなカボションでもとても高価なもの。
翡翠色の漆塗りのバングルに、金と銀、螺鈿で涼しげなシュロの葉を蒔絵加飾しました。
内側にはシルクモアレのリボンを張って、肌触りをさらっと心地よくしてあります。
本物の漆塗りは、年月を経て透明感が出てきます。
30年後にはロウカンのような艶になるかしら。
その頃には、シルクの白いシャツにこんなバングルとお揃いカラーのハイヒールが絵になる、素敵に洒脱なマダムである予定。
漆の歴史が始まってから、分かっているだけでも6000年以上が経ちます。
今、私が作るリアルな蒔絵はこういうものです。