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みつごのたましい

久しぶりに、用事があってデパートの呉服売り場に足を踏み入れた。
季節は初夏。涼しげな絽の着物が。これが素敵なの素敵じゃないのって、すごく素敵なの。店員さんがうるさくしなければもっと眺めていられたのに。
私の、あまたある憧れの装いのひとつが、夏に絽の着物を涼しげに(本人、ちっとも涼しくないのだが)着こなして、日傘さして木陰を歩く、という図。
それにふさわしい着物があって。帯も織り方が凝っていて素敵なものがたくさんあった。あーいいなあ。
漆といい、着物といい、今の生活スタイルと全く違うジャパニーズテイストのものに憧れるこの気持ち。最近私どうしちゃったのだろう、と思い巡らせているとはたと浮かんだ「三つ子の魂百まで」というコトバ。
私は3歳のときから日本舞踊を習わせられていた。
られていた、という受け身の言い回しは、私が物心ついたときから習っていたため、すききらいと別の次元でお稽古を続けていたという成り行きからくるもの。
お稽古していた10年間、確かに一度も「好き!」と思ったことはなかった。(センセイごめんね・・・でも解っていたと思う)
着物や足袋や帯やかんざしの細工、扇子に貼られた和紙や骨に塗られた漆の表情は、今でも思い返すことができるディテール。
やっぱり私はそう遠くない将来、和の世界に浸りたくなるような気がする。
今、漆と蒔絵を使ってつくりたいアクセサリーのひとつは扇子。
広げられた扇子は、女性が顔を隠したり手元でもてあそぶ、媚びを演出する道具でもある。